介護職の業務で基本として挙げられる仕事の一つに、要介護者の体に直接触れる身体介護があります。
この身体介護の中でも食事、入浴、排泄は3大介護と呼ばれるほど難しい業務となるので、気を付ける点について把握しておかなくてはいけません。
食事介護においてやってはいけないのが強要です。
これは要介護者に限った話ではありませんが、人間は年齢を重ねると咀嚼や嚥下などの機能が徐々に低下していきます。
若い時と同じ感覚で食べられなくなったことで、要介護者は食事に楽しみを見いだせなくなるケースも少なくありません。
食事に対して前向きになれないからといって、強要してしまうと逆効果になります。
食事内容を工夫するなど楽しく食べられるようにしてあげることが大切です。

入浴介護では、作業の見極めが重要となります。
訪問介護で働くスタッフの中には、サービスを受ける側は何もできないと決めつけて全ての作業を行ってしまう人も少なからずいます。
自分では正しいことをしているつもりでも、結果的に要介護者のやる気を奪ってしまうことになります。
一人ひとりの状況を把握して、できることは本人に任せなくてはいけません。
排泄介護における最重要ポイントとなるのが尊厳への配慮です。
若い時に当たり前にできていた排泄を人に頼らなくてはできなくなったことについて、恥を感じてしまう要介護者はたくさんいます。
入浴介護と同様に、自分でできることは任せて心を傷付けないようにする配慮が必要です。