介護職における身体介護では、日常生活動作に支障がある人に対してさまざまな介助を行います。
身の回りの介助だけではなく、利用者本人の価値観や生活習慣を尊重した自立支援の意味も含まれています。
身体介護は、利用者の生活や生命を守るために欠かせない援助です。
そのため、基礎や注意点はしっかりと把握しておかなければいけません。
身体介護の基本には、食事、排泄、入浴の介助の3つに大きく分類されます。
まず食事については、栄養バランスをよく考える必要があります。
人間の生命活動を維持するためには、それ相応の栄養分の摂取が必要となるためです。
しかし介助では単に食事を口に運ぶことだけを指すのではなく、食事を通じてその人らしい生活へ近づくための支援の意味合いも含まれています。

入浴では実際に介助を行う前に意義を把握する必要があり、意義は生理・身体的側面と心理・社会的側面の2つです。
生理・身体的側面では、皮膚の生理機能や清潔を正常に保ち、感染症を防ぐことが挙げられます。
また、血液循環を促進して各臓器の機能を高めるほか、身体の疲労を和らげて筋や筋肉をほぐす役割も持ちます。
心理・社会的側面では、爽快感を得ることで活動意欲を高めていきます。
こうした意義を踏まえ、利用者の嗜好に合わせた入浴援助の提供を行うのです。
排泄の場面では、排泄物を見られることで抵抗感や気兼ねの気持ちが生まれやすくなります。
そのため、身体的な介助だけではなく、心理面への配慮も重要です。